原状回復のやり方は?DIYから業者依頼までの全手順を解説
原状回復のやり方は?DIYから業者依頼までの全手順を解説
賃貸物件を退去する際には、契約時の状態に物件を戻す「原状回復」が必要になります。原状回復は、次の入居者が快適に物件を利用できるようにするための重要なプロセスです。しかし、どこまでが借主の責任で修繕すべき範囲なのか、また、どうやって原状回復を進めれば良いのか、悩むことも多いでしょう。本記事では、原状回復のやり方について、DIYでできる部分と専門業者に依頼すべき部分を詳しく解説し、効率的かつ費用を抑えた進め方をご紹介します。適切な計画と実施で、スムーズな退去を目指しましょう。
目次
原状回復とは?基本的な定義と目的を理解する
原状回復の具体的なやり方:ステップごとの解説
2.1 現状確認とリストアップ
2.2 必要な修繕箇所の修理
2.3 清掃のポイント
2.4 業者への依頼のタイミングと選び方
DIYでできる原状回復とプロに任せる部分の違い
DIYでできる原状回復の具体例
プ ロに任せるべき原状回復の具体例
注意すべきポイント:原状回復で発生しやすいトラブル回避法
原状回復の費用を抑える方法と効率的な進め方
まとめ:効率的に原状回復を進めるために
1. 原状回復とは?基本的な定義と目的を理解する

原状回復とは、賃貸物件を契約時の状態に戻す作業のことを指します。これには、物件の損耗や汚れ、借主が行った改装などを元に戻すことが含まれます。特に、賃貸契約では、通常の生活で生じ る損耗や経年劣化は「通常の損耗」として認められ、修繕義務から除外されることが多いです。たとえば、フローリングの摩耗や壁紙の日焼けなどがその例です。しかし、借主が故意に行った改装や損傷は、そのままにしておくことはできません。
原状回復の目的は、次の入居者が快適に利用できるよう、物件を清潔で整った状態に保つことにあります。貸主は次の入居者に対して、物件を良好な状態で提供する必要があるため、退去時に元の状態に戻すことは契約上重要です。特に、物件の種類によっては、貸主が指定する範囲が広がることもあるため、契約書に明記されている内容をよく確認し、どこまでが原状回復の対象になるかを理解しておくことが求められます。
2. 原状回復の具体的なやり方:ステップごとに解説
原状回復を正しく行うためには、順序立てた計画が必要です。ここでは、効率的に進めるための具体的な原状回復のやり方についてステップを解説します。
2.1 現状確認とリストアップ
まず最初に行うべきは、物件全体の現状を確認することです。壁、床、天井、設備などすべての箇所をチェックし、どの部分が修繕の対象となるかをリストアップします。これには、壁の傷や汚れ、床のへこみ、家具を移動した際にできた跡、照明や設備の不具合などが含まれます。
リストアップが完了したら、それぞれの項目について「借主が修繕すべき部分」と「通常の損耗とみなされる部分」に分けます。この段階で、賃貸契約書に基づき、何が修繕対象となるかを確認することが重要です。契約書に明確な記載がない場合、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて判断することができます。このガイドラインでは、通常の損耗と借主の責任範囲についての基準が示されています。
2.2 必要な修繕箇所の修理
次に、リストアップした修繕箇所の修理に取り掛かります。たとえば、壁に開いた穴や傷は、パテで埋めた後、必要に応じて壁紙を部分的に張り替える必要があります。床の擦り傷やへこみも修繕が必要です。家具や物の移動によってできた跡や損傷は、専用の補修剤や工具を使って元の状態に近づけます。
DIYで対応できる軽微な修繕は、自分で行うことも可能ですが、大きな損傷や専門知識が必要な修繕については、業者に依頼することが賢明です。特に、内装や設備の修理では、素人が手を加えるとさらに問題が悪化することがあるため、適切な判断が求められます。
2.3 清掃のポイント
修繕が完了したら、物件全体のクリーニングに移ります。清掃は原状回復の最後のステップであり、貸主が物件を引き渡す際に非常に重要な要素です。特に、キッチンや バスルーム、トイレなどの水回りは、汚れが溜まりやすい場所であり、時間をかけて念入りに掃除する必要があります。
油汚れがつきやすいキッチンの壁や換気扇、カビが発生しやすいバスルームのタイルやシャワー周り、鏡の水垢などは特に重点的に清掃を行いましょう。また、床やカーペット、窓ガラス、エアコンのフィルターなども忘れずに掃除し、物件全体が清潔な状態になるよう心掛けます。
2.4 業者への依頼のタイミングと選び方
自分でできない大規模な修繕や清掃については、専門の業者に依頼することが一般的です。たとえば、壁全体の張り替えや大規模なクリーニング、電気や水道設備の修理などは、専門業者の知識と技術が必要です。業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取り、費用や作業内容を比較してから決定することをお勧めします。
信頼できる業者を選ぶためには、過去の実績や口コミ、対応の丁寧さを確認し、依頼前にしっかりと打ち合わせを行いましょう。特に、大規模な修繕の場合は、見積もりだけでなく、作業スケジュールや追加費用の発生リスクについても確認することが重要です。
3. DIYでできる原状回復とプロに任せる部分の違い

原状回復のやり方には、簡単な作業を自分で行うDIYと、専門的なスキルや設備が必要な部分をプロに任せるという2つの選択肢があります。どちらを選ぶかは、作業の難易度やリスク、そしてコ ストに影響します。
DIYでできる原状回復の具体例
壁の小さな傷や穴の修復壁にできた小さな傷や画鋲の跡、軽微な穴であれば、市販の補修用パテを使って埋めることができます。壁を滑らかに仕上げた後、同じ色のペンキやタッチアップペイントでカバーすれば、目立たなくなります。補修用品はホームセンターで購入でき、道具も特別なものは必要ありません。
軽度な汚れやシミの除去壁や床に付いた軽度の汚れやシミは、適切な清掃剤を使ってDIY で簡単に取り除けます。たとえば、カーペットのシミ取りやフローリングのワックスがけは、専用の洗剤やクリーニングツールを使って自分で行えます。こうした作業は費用がかからず、比較的簡単にきれいにできます。
配線の整理と取り外しIT機器や家電の配線整理、ネットワークケーブルの取り外しなどもDIYで行うことが可能です。取り外した配線は丁寧にまとめておくか処分し、壁に配線が残らないように処理します。配線カバーやコードクリップなども市販されているので、それらを使えば手軽に処理できます。
プロに任せるべき原状回復の具体例
電気工事や配管作業法律により、専門資格を持つ業者でないと行えない作業が多くあります。たとえば、電気配線や照明器具の修理、または水道の配管作業などは、素人が行うとトラブルや事故につながる恐れがあり、法的にも許されていないことが多いです。これらの作業は、電気工事士や配管工に依頼する必要があります。
壁紙の全面張り替えや大規模な修繕壁紙の張り替えや大規模な壁の修繕は、プロに任せるのがベストです。部分的な補修で済む場合もありますが、広範囲にわたる損傷がある場合や、壁全体を張り替える場合は、専門業者に依頼する方が仕上がりも良く、効率的です。特に、色や質感を合わせる作業は、経験豊富な業者に任せることでクオリティが向上します。
大規模なクリーニング作業通常の清掃では手に負えないような大規模なクリーニング作業、特に油汚れやカビの除去、タイルや床の磨き直し、業務用設備の清掃などはプロに依頼した方が確実です。業者は専用の洗浄剤や機材を使って、通常の家庭用清掃では対処できない汚れやカビを除去します。
4. 注意すべきポイント:原状回復で発生しやすいトラブル回避法

原状回復におけるトラブルは、費用負担や修繕範囲をめぐって貸主と借主の間で発生することが多くあります。こうしたトラブルを避けるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
よくあるトラブル例
「通常の損耗」か「修繕が必要な損傷」かの判断の違い原状回復において最も多いトラブルは、通常の損耗と修繕すべき損傷の境界が曖昧であることです。たとえば、長期間の使用によるフローリングの磨耗や、家具の移動による軽微な跡は通常の損耗として扱われるべきですが、貸主側が修繕を要求するケースがあります。これを防ぐために、国土交通省の「原状回復をめぐるガイドライン」を参考にすることが有効です。ガイドラインでは、通常の使用で生じる損耗と借主が負担すべき修繕の違いを明確に示しています。
入居時の状態が不明確な場合のトラブル入居時の物件の状態が記録されていない場合、退去時に「元の状態がどう だったか」をめぐって争いになることがあります。このようなトラブルを避けるためには、入居時に物件の写真を撮影しておくことが重要です。壁や床、設備などを細かく記録しておくことで、退去時に何が通常の損耗で、何が借主の責任かを明確にすることができます。
修繕範囲の解釈違い賃貸契約書に記載されている修繕範囲の解釈違いもトラブルの原因となります。契約書には、原状回復の範囲や貸主・借主の責任が詳細に記載されていることが多いですが、その解釈が異なると、どこまで修繕すべきかで争いが生じます。契約書をよく読み、疑問点があれば契約時に貸主に確認しておくことが必要です。
トラブルを防ぐための具体的な対策
契約書の内容を事前にしっかり確認契約時に原状回復の範囲や条件を確認し、不明瞭な点があれば貸主に質問して明確にしておくことが重要です。特に、修繕対象となる範囲や経年劣化についての記述を確認し、自分が負担すべき部分を理解しておきましょう。
物件の状態を入居時に記録しておく退去時にトラブルを避けるため、入居時の物件の状態を写真や動画で記録することが推奨されます。これにより、退去時に「どの損傷が入居時からあったものか」を証明でき、トラブルを未然に防ぐことができます。
貸主と定期的なコミュニケーションを取る退去が近づいたら、早めに貸主と物件の現状を確認し、どの部分が修繕対象に なるのかを合意しておくことで、無駄な修繕を防ぐことができます。これにより、費用を抑えながらトラブルの発生を回避することができます。
原状回復の費用を抑える方法と効率的な進め方
